ルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術

【事例8】17歳 男性 両側唇顎口蓋裂成長後の受け口(下顎前突症)、反対咬合

17歳の男性は、生後3ヵ月で初回の唇裂形成術を受け、以後、口蓋裂閉鎖術、腸骨移植による顎裂閉鎖術等、数回の手術を受けた後、しばらくの間、来院していませんでした。

今回、高校卒業後の就職を控えているので、それまでの間に、受け口(下顎前突症)、反対咬合の治療を希望し、来院しました。

■手術による治療

1日でも早く受け口(下顎前突症)、唇裂様顔貌を改善するために、手術先行(サージャリーファースト)法による外科矯正手術をすることにしました。

術後の歯科矯正を含めた治療全体の計画を、矯正医と十分に検討後、手術シミュレーションを立てました。

17歳の男性は、学校の夏休みに手術をしたいということなので、手術シミュレーションには、その希望も盛り込みました。

生まれつきの変形が根底にある歯並び及び噛み合わせの大きなズレがあったので、手術前の3ヵ月間、歯科矯正をしました。

手術は、上顎をルフォーⅠ型上顎骨切りをして、7ミリ前方へ移動しました。

下顎は、下顎骨矢状分割骨切り術をし、新しい上顎と上手く噛み合う位置まで後方に移動させました。

今回の手術では、唇裂特有の押し潰されたような鼻の手術はしなかったので、顎先の位置をE-ラインに移動させるオトガイ形成術はしませんでした。

■手術後の経過

ルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術をしてから2週間以降に、顎や顔の腫れが落ち着いてきたら、受け口(下顎前突症)顔が改善されました。

ルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術をしてから3週間以降に、本格的な歯科矯正を開始しました。

ルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術後6ヵ月で、唇裂鼻形成術とその鼻に合わせたオトガイ形成術を追加し、唇裂特有の顔貌から解放され、17歳の男性は、自分の顔に自信を持って就職ができました。

1年6ヵ月の動的矯正期間を経て、治療を終えました。

■備考

通常は、手術先行(サージャリーファースト)法による外科矯正治療が向いていない、あるいは困難な症例でしたが、手術を受けるまでの3ヵ月間で可能なだけの歯科矯正をし、17歳の男性の希望する手術時期にルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術をしました。

ルフォーⅠ型上顎骨骨切り術による上顎前方移動+下顎骨矢状分割骨切り術をした後の矯正治療は、困難だったと思いますが、手術先行方法の外科矯正治療において矯正経験豊富な矯正医により、歯並びも噛み合わせもかなり改善しました。

この17歳の男性を、もし従来法で治療していたら、術前矯正期間に1~2年がかかり、なかなか治療時間の取れぬ就職後に外科矯正手術を受けなくてなりませんし、もしかしたら治療途中でのドロップアウトもなきにしもあらずでした。

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