神経-顎骨削り・切り’

質問:
美容整形外科で顎削り&エラ削りをして、2週間が経過したものの、下口唇の片側を動かすことができません。
顎&エラの左右がバランス悪くなる、口唇が麻痺して動かなくなるという説明を術前に一切聞いていなかったので、動揺しています。
執刀医は、注射したボトックスが、右の方に流れてきているから、こうなったと言っていますが、ボトックスを注射する説明も、術前に聞いていません。
もし、執刀医の言うようにボトックスを注射したとするならば、薬理作用の減弱とともに、ボトックスの作用はなくなり、口唇は動くはずです。
口唇が麻痺して動かなくなったことは、神経を切除したことに起因してると私は思うのですが。
口唇をうまく閉じることができず、涎がダラダラと垂れるし、飲み物も口唇の右側からこぼれおちてしまいます。
あと、「イー」の発音をしたり、口先を伸ばそうとすると、左片側の顎にだけ結節が偏ってできます。
確実に運動神経が、顎削り&エラ削りによって切断された以外に考えられないのですが。

Q1.口腔外科的にみた場合、エラ(下顎角)や顎を削った後に、下口唇の神経は麻痺するものなのでしょうか?
どんなに注意してで顎削り&エラ削りをしても、どの患者に対しても、一般的に、普遍的に麻痺は残ってしまうことなのでしょうか?
口腔外科医療として要求される一般的基準は、麻痺を残さないことだと思いますが、専門医からみていかがでしょうか?

Q2.神経を切断したとするならば、それは何神経を切断したのでしょうか?

Q3.麻痺は完全に回復するのでしょうか、また、麻痺症状が固定化したという基準は、どのくらいの期間で判断すれば良いのでしょうか?

回答をよろしくお願いします。

回答:
こんにちは。
口唇の麻痺でお悩みのことと思います。

■Q1について
口唇を動かす神経は、顔面神経といわれています。
抜歯や下顎骨骨切り等の口腔外科的手術で、頻繁に問題となるのは下顎神経で、顔面神経とは別の神経です。
もちろん手術内容によっては、顔面神経が関与してくることもありえます。
特に、下顎骨の底辺部(下顎下縁)に操作を加える場合は、顔面神経損傷のリスクが出てきます。
なお、各種の口腔外科的手術において、神経損傷の確率をゼロにすることは不可能だと思われます。
ただそのことが、貴女のいわれる「どの患者に対しても、一般的に、普遍的に麻痺は残ってしまうことなのでしょうか?」ということになるのか、これは言葉の表現にも関係してくるため、明確に言えないのが現状です。
個人的な感想としては、神経損傷は、手術内容や損傷程度にもよりますが、一定の発生率で引き起こる偶発症だと思っています。

■Q2について
口唇を動かすことをつかさどるのは、前述の通り顔面神経になります。
ゆえに、口唇を閉じることができない等の症状が、神経の損傷に起因しているとするならば、顔面神経の損傷である可能性が考えられます。
もっとも、「神経の障害 = 神経の切断」ではありません。
部分的に損傷したでも、神経障害は引き起こります。
また、貴女の症状が顔面神経の障害であると、この場において確定できない点についてはご注意下さい。

■Q3について
「麻痺は完全に回復するのでしょうか」についても、やはりこの場で確定できることではありません。
ただ、神経の損傷は、神経が完全断裂していない限り、時間はかかっても、再生していく可能性はあります。
逆に、完全切断している(あるいはそれに近い状態)場合、麻痺症状は長期化する可能性があります。
「麻痺症状が固定化したという基準は、どのくらいの期間で判断すれば良いのでしょうか?」については、まず現状を実際の診察の場で、しっかりと確認してからのことだと思われます。
最後に、「口唇をうまく閉じることができず、涎がダラダラと垂れるし、飲み物も口唇の右側からこぼれおちてしまいます」というのは、日常生活上、大変支障がある事態だと思われます。
状況に応じ、他の病院(麻酔科等)にて受診する必要もあるのではと、個人的には考えます。
お身体を大事にされて下さい。

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質問:
横に広く張ってる顎で、その顎を削りたい場合は、神経から5mm以内のエリアにある顎骨を削ることはできないと、美容外科のカウンセリングで説明されました。
神経に触れないギリギリの箇所で顎骨を削るということになると、やはりどの顎削りの場合も、神経から5mm以内のエリアを残し、顎削りをするのが限界なのでしょうか?
顎削りの最大幅は5~6mmが限界なのでしょうか?

回答:
まずエラについて説明しますが、下顎神経が入る箇所は、下顎動脈もありますが、かなり上の箇所になります。
かなりエラを削っても、十分安全な領域なので、心配ありません。
これまでのエラ削り手術において、最も削った最大幅は15mmの人がいましたが、その場合でも特に問題ありませんでした。
顎削りの場合でも、メンタルナーブという神経は、個人差はありますが、下端から10mm以上離れているので、10mm顎削りをすることができます。
しかし、かなり顎削りをし過ぎると、顎下に皮膚の弛みができてしまうので、そのことも考慮して顎削りをしなくてはなりません。
次に、顎先の箇所ですが、これはオトガイ神経(メンタルナーブ)の高さまで顎削りが可能です。
この場合の顎削りも、やはりギリギリでするのでは危険を伴うので、やや幅に余裕を持ち、顎削りのデザインをします。
なので、約5~15mmの幅で顎削りをすることが可能です。
単に、顎を短くするだけでなく、美しいフォルムの顎をイメージし、顎削りをします。
いずれにしても、手術前に3DCT検査をし、貴女の下顎骨の構造を調べて、把握しておくことが重要になるでしょう。
それにより、顎削りのデザインを予めシミュレーションすることが可能になります。

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質問:
先日、地元の歯科医で歯列矯正のカウンセリングをしました。
その際に持参したLe Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術の写真を医師に見せたところ、「現在は、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術のような、上顎を移動させる骨切り術をするクリニックはほとんどない」とのことでした。
その医師がいうように、現在は、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術をするクリニックは、ないのでしょうか?
私の顔の骨格は、中顔面が凹んでおり、かなりのコンプレックスとなっています。
自分なりにいろいろと調べた上で、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術ができればいいなと思っていただけに、医師の答えにはショックでした。
下の歯の歯並びは、円形ではなく、ほぼ台形なので、受け口ではありませんが、叢生気味なので綺麗な歯並びにしたら、受け口になると思います。
現在通院中の、この歯科医で引き続きカウンセリングするつもりですが、こちらでも意見を頂けるとありがたいです。
宜しくお願いします。

回答:
Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術は、上顎骨の劣成長や上顎骨の後退症で、梨状孔外側部(顔面中1/3)及び外鼻の後退を伴っている場合、ClassⅢの咬合異常、高度のdish face等の場合に適した手術です。
通常、上顎骨へのアプローチは、大きく分けて、口内法と口外法があります。
Le Fort(ルフォー)Ⅰ型骨切り術や、segmental osteotomy等、大抵の手術法は口内法を採りますが、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術やⅢ型は、口腔外に皮膚切開線を入れる、口外法を採ります。
上顎骨前頭突起、眼窩床及び眼窩下縁の骨切り術は、鼻根部及び両下眼瞼(睫毛下)の横切開アプローチ、もしくは両内眼角部に八の字状の斜切開を入れて行うアプローチ、大きなcoronal incisionを採ります。
もちろん下方部分の骨切り術は、口内法を採ります。
Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術は、上顎の移動量と方向が、必ずしも中顔面、鼻部の移動量、方向と一致しない場合が多々みられ、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術がなかなか適応されない理由の1つとなっています。
ゆえに、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術は、鼻上顎部が全体的に奥に引っ込んだような症例に限られて、適用されます。
なお、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術における骨同士の固定は、鼻根部、両側上顎骨前面に腸骨移植が必要な場合が多いようです。
もちろん、実際に診察してみないとわかりませんが、貴女のようなdish facedeformity に対する顎の手術は、主に、上顎の劣成長を対象として適用され、後退位になる上顎を骨切り術により前方に移動させる前方移動骨切り術が中心となります。
下顎骨や下顎歯列の状態も常に正常であるとは限らないので、症例によっては上顎のみでなく、下顎に対しても骨切り術が必要な場合があります。
また、劣成長の上顎をそのままの状態にし、むしろ正常な位置にある下顎を、奥に引っ込めさせることにより、十分な目的を実現させる場合もあります。
歯列矯正医と口腔外科医をまじえて、治療方針について入念にカウンセリングすることをお勧めします。
なお、やはり貴女の地元の医師がいわれているように、現状においては、Le Fort(ルフォー)Ⅱ型骨切り術を手掛けている医療機関は、かなり少ないです

△上記文章はユーザー個々の投稿です