顎変形症 受け口 しゃくれ 矯正手術’

質問:
かなり幼い頃より反対咬合で、小学校高学年からずっと自分の顔がコンプレックスになっていました。
サ行やタ行は発音しにくいし、滑舌も悪く、横顔を見ると、下口唇が前に出ている状態です。
悪い歯並びではないですが、かといって綺麗な歯並びともいえません。
小学校、中学校、高校と、全ての歯科検診で、咬合に問題ありといわれ続けてきました。
高校生の今、自分が成人した時に、この歯並びのまま生きるのは嫌だ!という気持ちがより一層強くなったので、何とかこの反対咬合を改善できないかと思い、質問しました。

自分が気になっていることは、

反対咬合の治療にかかる費用と時間は、どのくらいなのか?
反対咬合の治療で、顔の形が(悪い方向に)変わってしまわないか?
反対咬合の治療で、長期にわたる休みが必要になるのではないか?

です。
高校生活でも、ずっとマスクをしているので、反対咬合の治療期間における見た目は、全然気になりません。
回答を宜しくお願いします。

回答:
はじめまして、さて、質問の件ですが、反対咬合(受け口)を気にしているということですね。
質問の内容をしっかりまとめてるので、順番に回答します。

1.反対咬合の治療にかかる費用と時間は、どのくらいなのか?
まず反対咬合の治療にかかる費用についてですが、これは、下顎の受け口具合によって変わってきます。
はっきりと下顎が出ているようならば、大学附属病院で手術することになるので、その場合に限り、健康保険が適応されます。
入院費を含め、50万円前後の費用がかかるかと思われます。
また、そこまで下顎が出ていない、あるいは、反対咬合改善の手術をしたくないならば、健康保険は適用外になるので、80万~100万円程度の費用がかかるかもしれません。
反対咬合の治療にかかる期間は、2~3年程度はみておいて下さい。

2.反対咬合の治療で、顔の形が(悪い方向に)変わってしまわないか?
反対咬合の治療によって、顔の形が(悪い方向に)変わってしまわないかについてですが、反対咬合改善の手術をした場合は、大抵改善されます。
反対咬合改善の手術をしない場合は、反対咬合(受け口)の顔貌はあまり変わりません。
むしろ、面長の顔になる傾向があります。

3.反対咬合の治療で、長期にわたる休みが必要になるのではないか?
反対咬合改善の手術をした場合は、約1ヵ月程度の入院をすることになります。
反対咬合改善の手術をしない場合は、入院しないので、休みを取る必要はないと思われます。

参考して下さい。

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私の場合は、2週間入院し、入院3日目に受け口の外科手術をしました。

とりあえず受け口の外科手術をするまでの2日間は暇で、体は健康なのに、なぜ自分は入院してるんだろ?って感じです(笑)。

その2日間は、歯型を取り(受け口の外科手術をした後に、顎固定用のマウスピースを作るため)、麻酔科の医師から説明を聞いたくらいでした。

受け口の外科手術当日は、歩いて手術室に向かい、手術室に入ると、ベッドに横たわり、身体中に心電図や血圧計の器具を装着され、最後にマスクを装着され、深呼吸をしたら、意識がなくなりました。

気付くともう夕方で、顔が腫れと痺れで感覚がなくなっていて、両顎がゴムで固定され、全く口を開けることができず、口には痰吸入用チューブが、鼻には栄養補給用チューブが、そして酸素マスクも、腕には点滴が、おまけに股間にはカテーテルが装着され、本当に重病人といういでたちでした。

食事は、鼻チューブから栄養ドリンクを2時間程かけ、直接胃へ流し込みました(つまり1日3食で計6時間!)。

そんな状態が3日間続き、その間に体は次第に回復し、診察室まで点滴を引っ張りながら歩いて行ったりしました。

その後、顎間固定を外し、口を開けるようになると、「あっ、下顎が引っ込んでる!」とようやく受け口の外科手術の成功を実感し、感動します。

上の歯と下の歯を噛み合わせた時の、歯の凹凸がピッタリと合致し、凄く気持ちが良かったです。

そのピッタリしたフィット感は、ずっとガチガチと噛み合わせたい程でした。

それからは、退院まで、またひたすら暇になりました。

まあ、顔の腫れや顎の痺れ、違和感等は、まだまだ残っていますが、1日1回の診察と看護師の検温や血圧チェック以外は、特にすることがありませんでした。

この頃から、食事は、流動食から刻み食(元の食材がわからない程に微塵切りにした煮物やサラダ等)に変わりました。

私の場合は、退院後すぐに通常の食事を摂ることができました、もちろん硬い物や歯応えのある物はまだ無理でしたが。

現在は、受け口の外科手術をしてから2ヵ月が経ち、まだ痺れは残っていますが、通常生活に戻りました。

受け口の外科手術をしてからの3日間だけがつらかったですが、それさえ乗り切れば、ずっと悩んでいた受け口が解消されると思うと、全然大したことではなかったです。

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顎変形症手術の詳細

■顎変形症手術の内容

・顎変形症手術の目的

下顎骨を移動させることで、上下歯列の適切な噛み合わせを得ること。

・顎変形症手術について

下顎骨を分割し、奥に後退させ、予め作成したスプリント(マウスピースのような物)を患者に噛んでもらい、適切な位置にて下顎骨をスクリュー(=ネジ、ビス)で固定します。

スクリュー(=ネジ、ビス)での固定を確実にするために、上顎と下顎を針金で固定(顎間固定)し、開口制限をします。

後退量は、右:4ミリ、左:5.5ミリで、固定には吸収性のあるスクリュー(=ネジ、ビス)を使用します。

創(=傷口)としては、口腔内(両側大臼歯部)及び両側顎下部(スクリュー固定の際生じる)にできます。

創内の血液の貯留は、細菌感染の温床となるので、血液を吸引するための管を口腔内に設置します。

・顎変形症手術日当日

8:40前に投薬、9:10手術室に入室。

4~5時間の手術時間を予定していましたが、全身麻酔の準備、覚醒を含めると、約6~7時間はかかります。

顎変形症手術は、最終的には当日の体調でするかしないか、また全身麻酔をかけてからの状態を判断して、顎変形症手術が中止される場合もあります。

■顎変形症手術の偶発性について

1.出血

通常、顎変形症手術において、400~600mlの出血が見込まれます。

予め自分の血液を採血しておき、必要な際にその採血分を使用できるようにしてあります。

600mlの採血量で、その倍量程度の出血には対応できると考えられています。

ただし、予想以上に多い出血量で、体調維持に問題が生じる場合には、他人の血液を使用することもあり、その場合は使用前に相談することになります。

出血時、口腔内からの止血操作で止血できない場合は、顎下部から頚動脈にアプローチし、止血を図ります。

この場合首(顎下)に創(=傷痕)ができます。

2.神経麻痺

・オトガイ神経麻痺

骨の分割切断や移動に伴い、下歯槽神経の圧迫等が起こるため、オトガイ神経支配領域の感覚麻痺が生じるリスクがあります。

一過性の麻痺ですが、回復まで半年~1年程度かかります。

麻痺の治療には、ビタミン剤の内服、温熱療法等で対処します。

・顔面神経麻痺

顎変形症手術後における浮腫等の炎症反応による圧迫で、顔面神経麻痺という運動麻痺が起こる場合があります。

一過性の麻痺なので、高圧酸素療法(※)、理学療法、薬物療法等の積極的な治療をします。

※高圧酸素療法

2気圧下で酸素を吸入することによって、循環、創(=傷)の治癒を促進させる療法です。

3.細菌感染

顎変形症手術後に創部(手術箇所)が、感染する可能性があるので、抗生剤の投与で対処します。

4.再手術

顎関節部の異常、異物迷入等により、早急に再手術をしなければならない場合があります。

■顎変形症手術後の経過

帰室時は、全身麻酔から目覚めた状態ですが、やや朦朧としている状態です。

点滴は2本維持されて出てきます。

1つ(手に装着)は、水分管理と抗生剤等の薬剤投与としてのものです。

顎変形症手術をしてからの2日間は、この点滴を打ちます。

それ以降は、血液データや臨床症状を考慮し、点滴を外しました。

もう1つ(足に装着)は、輸血のための点滴で、翌日の血液データをみて、外すかどうかを決めます。

尿管、胃管が設置された状態で、私は手術室から出てきました。

尿管は、自分で排尿できる場合は不要なので、その場合は抜去します。

胃管は、鼻に挿入します。

顎 受け口 しゃくれ 矯正手術後中は、胃管を胃から出る液の排出で使用し、顎変形症手術後後は、栄養摂取のために使用します。

血液吸引管を抜去するまでの間(約2~3日)は、細菌感染予防のため、水や茶以外は、経口摂取を禁じられ、胃管からの栄養摂取でした(胃の活動が活発化したら、胃の洗浄後、流動食を注入)。

胃管は、元々は排液用の管であり、硬い素材なので、装着時に強い違和感があります。

顎変形症手術後に気道や舌の浮腫、腫張が強い等の症状が現われると、呼吸困難に陥ることがあります。

このような症状を予期した場合、呼吸管理のために鼻に管を入れたままの状態で帰室することがありますが、覚醒時は抜去します。

顎変形症手術後、開口制限、腫張防止のために、バンテージを使用しました。

足に打った点滴を抜去した後は、歩くこともできました

△上記文章はユーザー個々の投稿です