顎変形症手術をしてみた

顎変形症手術の詳細

■顎変形症手術の内容

・顎変形症手術の目的

下顎骨を移動させることで、上下歯列の適切な噛み合わせを得ること。

・顎変形症手術について

下顎骨を分割し、奥に後退させ、予め作成したスプリント(マウスピースのような物)を患者に噛んでもらい、適切な位置にて下顎骨をスクリュー(=ネジ、ビス)で固定します。

スクリュー(=ネジ、ビス)での固定を確実にするために、上顎と下顎を針金で固定(顎間固定)し、開口制限をします。

後退量は、右:4ミリ、左:5.5ミリで、固定には吸収性のあるスクリュー(=ネジ、ビス)を使用します。

創(=傷口)としては、口腔内(両側大臼歯部)及び両側顎下部(スクリュー固定の際生じる)にできます。

創内の血液の貯留は、細菌感染の温床となるので、血液を吸引するための管を口腔内に設置します。

・顎変形症手術日当日

8:40前に投薬、9:10手術室に入室。

4~5時間の手術時間を予定していましたが、全身麻酔の準備、覚醒を含めると、約6~7時間はかかります。

顎変形症手術は、最終的には当日の体調でするかしないか、また全身麻酔をかけてからの状態を判断して、顎変形症手術が中止される場合もあります。

■顎変形症手術の偶発性について

1.出血

通常、顎変形症手術において、400~600mlの出血が見込まれます。

予め自分の血液を採血しておき、必要な際にその採血分を使用できるようにしてあります。

600mlの採血量で、その倍量程度の出血には対応できると考えられています。

ただし、予想以上に多い出血量で、体調維持に問題が生じる場合には、他人の血液を使用することもあり、その場合は使用前に相談することになります。

出血時、口腔内からの止血操作で止血できない場合は、顎下部から頚動脈にアプローチし、止血を図ります。

この場合首(顎下)に創(=傷痕)ができます。

2.神経麻痺

・オトガイ神経麻痺

骨の分割切断や移動に伴い、下歯槽神経の圧迫等が起こるため、オトガイ神経支配領域の感覚麻痺が生じるリスクがあります。

一過性の麻痺ですが、回復まで半年~1年程度かかります。

麻痺の治療には、ビタミン剤の内服、温熱療法等で対処します。

・顔面神経麻痺

顎変形症手術後における浮腫等の炎症反応による圧迫で、顔面神経麻痺という運動麻痺が起こる場合があります。

一過性の麻痺なので、高圧酸素療法(※)、理学療法、薬物療法等の積極的な治療をします。

※高圧酸素療法

2気圧下で酸素を吸入することによって、循環、創(=傷)の治癒を促進させる療法です。

3.細菌感染

顎変形症手術後に創部(手術箇所)が、感染する可能性があるので、抗生剤の投与で対処します。

4.再手術

顎関節部の異常、異物迷入等により、早急に再手術をしなければならない場合があります。

■顎変形症手術後の経過

帰室時は、全身麻酔から目覚めた状態ですが、やや朦朧としている状態です。

点滴は2本維持されて出てきます。

1つ(手に装着)は、水分管理と抗生剤等の薬剤投与としてのものです。

顎変形症手術をしてからの2日間は、この点滴を打ちます。

それ以降は、血液データや臨床症状を考慮し、点滴を外しました。

もう1つ(足に装着)は、輸血のための点滴で、翌日の血液データをみて、外すかどうかを決めます。

尿管、胃管が設置された状態で、私は手術室から出てきました。

尿管は、自分で排尿できる場合は不要なので、その場合は抜去します。

胃管は、鼻に挿入します。

顎変形症手術後中は、胃管を胃から出る液の排出で使用し、顎変形症手術後後は、栄養摂取のために使用します。

血液吸引管を抜去するまでの間(約2~3日)は、細菌感染予防のため、水や茶以外は、経口摂取を禁じられ、胃管からの栄養摂取でした(胃の活動が活発化したら、胃の洗浄後、流動食を注入)。

胃管は、元々は排液用の管であり、硬い素材なので、装着時に強い違和感があります。

顎変形症手術後に気道や舌の浮腫、腫張が強い等の症状が現われると、呼吸困難に陥ることがあります。

このような症状を予期した場合、呼吸管理のために鼻に管を入れたままの状態で帰室することがありますが、覚醒時は抜去します。

顎変形症手術後、開口制限、腫張防止のために、バンテージを使用しました。

足に打った点滴を抜去した後は、歩くこともできました。

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