顎変形症 外科矯正治療 歯列矯正治療

A.なぜ顎変形症で手術をしなければならないのでしょうか?

噛み合わせの異常や障害を不正咬合といい、歯並びや向き等を矯正すれば、正しく噛めるように治る異常や障害を歯性不正咬合(しせいふせいこうごう)といいます。

いずれも歯列矯正治療だけで治すことができます。

しかし、歯ではなく、顎骨に起因する噛み合わせの異常や障害は、歯列矯正治療で歯の向きを修正しても、治せません。

これを骨格性不正咬合といい、歯列矯正治療と顎骨を外科的に修正する手術(外科矯正治療)を併用し、治療することで、正しい噛み合わせにすることができます。

B.顎変形症の治療フローは?

外科矯正治療には、大きく分けて、4つのステップがあり、標準的には全プロセスに約3年がかかります。

・第1段階(術前矯正治療)

歯並びの凸凹や、噛み合わせ平面の平坦化をし、外科矯正治療の手術後に安定するような噛み合わせを事前に作ります。

その術前矯正治療の期間は、個人差がありますが、概ね約1年半~2年がかかります。

・第2段階(入院手術)

通常、入院1ヵ月前には、全身麻酔のための術前検査一式(血液検査、尿検査、胸部レントゲン撮影、心電図、顎顔面CT等)を行い、手術計画の概要を説明すると共に、手術リスクの説明、同意書の手渡しをします。

手術日前日に入院し、約1週間の入院となります。

・第3段階(術後矯正治療)

外科矯正治療の手術後は、約3ヵ月間の矯正用ゴムによるリハビリをしながら、外科矯正治療の手術後における歯並びの微調整を矯正歯科医がします。

外科矯正治療の手術で、顎骨に骨接合用固定プレート(チタン製等)等が埋め込まれている場合だと、外科矯正治療の手術から約6ヵ月経過した頃に、プレート除去手術をします。

・第4段階(保定)

歯列矯正治療のワイヤー等を除去し、歯並びの安定化を図るための保定装置を、日中あるいは夜間のみ使用して、治療を終えます。

C.そもそも顎変形症とは?

受け口(下顎前突症)や出っ歯(上顎前突症)といった、上下の顎骨が大き過ぎる場合や、逆に小さ過ぎる場合(口唇口蓋裂や小下顎症)を総じて顎変形症といいます。

顔や顎が曲がったり、歪んでいる場合(顔面非対称、下顎非対称)や、上下の前歯が噛み合わずに、口が開いている場合(開咬症)、その他顎骨の歪みに起因する顎関節症等に、顎変形症を適応します。

また、呼吸器内科医師等からの依頼で、睡眠時無呼吸症候群に対しても、顎変形症を適用することがあります。

D.顎変形症改善のためにする外科矯正治療の手術とは、どのような手術でしょうか?

顎変形症改善のためにする外科矯正治療の手術は、全身麻酔をし、幾つかの手術アプローチがありますが、全ての手術アプローチは口腔から行い、顔の皮膚表面を切開することはありません。

顎変形症改善のためにする外科矯正治療の手術を大別すると、上顎骨への術と、下顎骨への手術に分類されます。

上顎骨への手術には、以下のものが挙げられます。

  • LeFortⅠ型(ルフォー1型)骨切り術
  • 上顎前方歯槽骨切り術
  • 下顎枝垂直骨切り術
  • 下顎前方歯槽骨切り術
  • 顎骨延長術
  • オトガイ形成術

E.顎変形症改善のためにする外科矯正治療の手術に起こり得るリスクには、どのようなものがありますでしょうか?

顎変形症改善のためにする外科矯正治療の手術に起こり得るリスクは、以下のものが挙げられます。

  • 手術中の多量出血
  • 口唇、頬、歯肉の感覚麻痺(3ヵ月程度で軽減、半年~1年程度で完治、一部の人には永続的な麻痺が残ることも)
  • 細菌感染
  • 再手術
  • 術後の顔の腫れ、頬・顎の弛み

通常は、以上のリスクについて、術前のカウンセリングで説明します。

出血量が増えそうな上下顎手術では、予め800mlの自己血の貯血をする病院もあります。

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