下顎骨矢状分割骨切り術

【事例9】21歳 女性 外傷後下顎骨変形、顔面非対称、交叉咬合

21歳の女性は、16歳の時に、交通外傷で脳挫傷、右下顎骨関節突起骨折、下顎骨体部骨折を負いました。

救命センターで一命をとりとめましたが、下顎骨骨折の治療を十分にできず、下顎骨変形に伴う顔面の左右アンバランス及び重度の交叉咬合でかなり悩んでいました。

大学時代の就職活動期前に顔の形状治療を早期に希望していました。

■手術による治療

1日でも早く、顔面の左右アンバランスと交叉咬合を改善するために、手術先行(サージャリーファースト)法による外科矯正手術をすることにしましたが、過去の、2箇所の下顎骨骨折で生じた高度の交叉咬合があったので、歯科矯正を含めた治療全体の計画を、矯正医と共に十分に検討を重ね、手術シミュレーションを立てました。

交叉咬合の外科矯正治療に対し、手術先行(サージャリーファースト)法を採るのは困難とされているので、手術する春休みまでの3ヵ月間のみ術前矯正を最小限しました。

手術は、下顎の移動をシミュレーションし、左と右とで異なる骨切りラインで下顎骨矢状分割骨切り術をし、上顎と上手く噛み合う位置にまで移動させて、固定しました。

手術中に、顔の左右均等を得られたことを確認しました。

■手術後の経過

下顎骨矢状分割骨切り術後2週目以降に、顎や顔の腫れが落ち着いてくると、顔面の左右均等が得られ、また口を開けた際における口の歪みも改善しました。

下顎骨矢状分割骨切り術後3週目以降に、本格的な歯科矯正を開始し、1年2ヵ月の術後動的矯正期間を経て、治療を終えました。

術前矯正期間と合わせ、治療期間は1年半で終えました。

就職活動期の前に、顔の左右均等、フェイスラインを改善し、また交叉咬合も改善したので滑舌が良くなり、さらに自分に自信を持って、21歳の女性は大学生活、就職活動を全うしています。

■備考

外傷後の交叉咬合は、手術先行(サージャリーファースト)法による外科矯正治療が向いていない、あるいは困難とされていますが、下顎骨矢状分割骨切り術を受けるまでの3ヵ月間を利用し、可能な限りの歯科矯正をし、21歳の女性が希望される就職活動が始まる前の春休みに、下顎骨矢状分割骨切り術をしました。

術後矯正治療は、困難だったと思いますが、手術先行(サージャリーファースト)法の外科矯正治において、矯正経験豊富な矯正医により、歯並びも噛み合わせもかなり改善し、滑舌も良くなりました。

この21歳の女性を、もし従来法で治療していたら、術前矯正期間で1年はかかり、なかなか治療時間の取れぬ就職後に外科矯正手術を受けなくてはなりませんし、もしかしたら治療途中でのドロップアウトもなきにしもあらずでした。

△上記文章はユーザーの投稿です