オトガイ形成術による麻痺の後遺症

しゃくれ顎や受け口のような下顎が前方に出ている状態、また反対に顎なしといわれるような下顎が後方に奥まって引っ込んでいる状態、等々、これら下顎で悩む人のための解消方法としてオトガイ形成術があります。

オトガイ形成術には2種類あり、オトガイ形成術前に1年~数年かけて矯正治療を行なってから、オトガイ形成術を行う場合と、いきなりオトガイ形成術を行う場合に大別されます。

ここでは上記いずれの場合のオトガイ形成術であっても起こり得る、術後の麻痺について取り上げます。

オトガイ形成術後に麻痺や痺れが残ってしまう確率は、一説にはほぼ100%

オトガイ形成術は、口腔から切開し、下顎骨を切ったり削ったりした後に、下顎骨を組み直し、なおかつ障害や外観の種類によって前方に移動させたり、あるいは後方に移動させたりといったことをします。

その口腔からの切開の際に、表からの切開と異なり、物理的・構造的に視認性が制限されますので、顔面神経の知識なく、腕が不器用で、実績も乏しい美容整形外科医だと、誤って顔面神経を切ってしまったり、損傷させたりすることがあります。

その結果、オトガイ形成術をした後に麻痺が後遺症として残る場合があるのです。

一説には、後遺症として麻痺や痺れが残ってしまう確率は、ほぼ100%といわれています。

そのうち約半数程度の人は、半年程でほぼ回復するといわれています。

残りの半数の人は、個人差こそあれ、痺れや麻痺が半永久的に残ってしまいます。

三叉神経の中でもオトガイを通っているのがオトガイ神経

そもそも顔面にはどのような神経が通っているのでしょうか?

顔面に通っている主要な神経が三叉神経とよばれる神経です。

三叉神経とは、脳神経の5番目の神経で、口腔感覚を司る知覚性要素と共に、咀嚼筋群の運動を支配する運動性要素からなる混合神経です。

頭蓋内に三叉神経節を形成しており、眼神経、上顎神経、下顎神経に分布します。

オトガイ形成術では下顎を触りますが、その際に損傷させてしまう危険性がある神経が、前文の最後に挙げた下顎神経になります。

下顎神経も混合神経であるため、耳介側頭神経、下歯槽神経、舌神経、頬神経へと分布します。

これらの神経の中でも、下歯槽神経が下顎骨のオトガイ孔を出て、オトガイ神経となり、オトガイや下口唇、下顎前歯部、小臼歯部の頬粘膜の知覚を司ります。

オトガイ神経の損傷等に起因する麻痺

オトガイ形成術後には、ほぼ100%の確率で麻痺が後遺症として残ることは前にいいました。

その麻痺の具体的な症状ですが、口角部、前歯部口腔粘膜、歯肉、これらが麻痺します。

オトガイ神経をピンポイントで損傷させてしまうと、当然オトガイ部の皮膚や下口唇が麻痺します。

麻痺は感覚を失うのもあれば、その神経が支配する筋領域を運動麻痺にさせ、筋萎縮という形で現れることもあります。

また他には熱感やピリピリ感、ムズムズ感を伴うこともあります。

こうしたオトガイ形成術後に後遺症として残った麻痺は、日常生活においては、発音障害、飲食時における口からのこぼれ、あふれといった現象を引き起こします。

麻痺が残ったら

先ほど紹介したような麻痺が感じられたら、可能な限り迅速に担当医もしくは麻痺専門病院で受診して下さい。

麻痺が発症してから1年以上放置しておくと、症状の固定化が起こり、完治しにくくなってしまいます。

三叉神経に起こった麻痺への一般的な治療法は以下になります。

  • 電気療法(ソフトレーザー療法、低周波治療)
  • 薬物療法(星状神経節ブロック)
  • 保存療法(原因除去と神経の再生)
  • 針治療

麻痺が出ると、その処置には、様子見と迅速な対応という相反する選択肢があり、その見極めが難しいですが、わからないことだからこそ先手先手で専門医に診てもらうようにしましょう。

△上記文章はユーザー個々の投稿です